宇宙水準点

宇宙水準点〈世界基軸教育と令和哲学〉

令和哲学者 NohJesu と共に歩む令和維新の道〜世界基軸教育によって人類がワクワクでひとつになる〜

アメリカの覇権の経緯と社会の今

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アメリカという国はコロンブスの新大陸発見と大航海時代中の移民により開拓された新興国であることは有名です。

 

今日は、そんなアメリカがどのような経緯で世界の覇権を握ってその世界が現在どうなっているのかについて、思うことも交えつつ書こうと思います。

 

まず20世紀初め、第一次世界大戦で大きな被害を被ったヨーロッパにおいて、イギリスはそれまでのように覇権を維持するのが困難な状況になりました。

 

そして1929年の世界恐慌を機にナチスドイツが発足、その後力をつけてポーランドに侵攻すると、第二次世界大戦の火蓋が切られたのです。戦争が勃発してしばらくすると、アメリカを牽制する目的でドイツはイタリア、日本と三国軍事同盟を組むことになります。

 

一方でアメリカはというと、以前からイギリスにとって替わる次の世界の覇権を狙っていました。しかしそのためには第二次世界大戦に参加する必要があったのです。

 

三国軍事同盟はそんなアメリカにとっては都合が良く、ドイツ、イタリア、日本とまとめて戦争ができるような環境が整ったと言える出来事だったのです。その後アメリカは、大西洋憲章の名の下にイギリスと協力して戦後どのように覇権を握っていくのかの話し合いをしています。

 

日本を誘導して戦争を始めさせた後の1944年、アメリカは戦後の経済を握るために金ドル本位制を敷きます。これは唯一米ドルだけが金と交換できる通貨であるとし、さらには他通貨と米ドルを一定の交換比率に定める制度でした。

 

これを定めることでドルが世界基軸通貨となり、アメリカは経済における覇権を握ることに成功したのです。

 

ところが戦後、メイドインジャパンの台頭やアメリカの国際収支の赤字によりドルの価値が大きく下がってしまいます。また1973年第4次中東戦争や1979年イラン革命による石油価格の高騰により、安い労働力を求めて資本や技術を東南アジアに移す企業が続出します。

 

そうなるとアメリカ自体の税収の減少も相まって、覇権は大きく揺らぐようになったのです。結果的にこの危機的状況はなんとか乗り越えることはできましたが、何かしらの手を打たなければならないと考えたアメリカは、覇権維持のためにIT経済、金融経済を導入します。

 

しかし金融経済では、債券を証券化することで金融商品金融派生商品としたためにリーマンショックを引き起こしてしまいます。これは世界の経済に大打撃を与えることになりました。またITの普及によって一瞬で巨額のお金を稼いでしまうような人も現れるようにもなりました。

 

そしてさらにIT経済、金融経済では企業の多国籍化が進み、収入を維持することが簡単ではなくなったため国全体が痩せ細っていく結果を生んでしまったのです。国も個人もより厳しい環境に置かれるようになってしまったのが、この新しい経済を導入した結果と見ることができます。

 

そしてその後、アメリカではGAFAが台頭します。これらは大量のビッグデータを有するプラットフォーム企業であり、企業として世界の覇権を握ったと言ってもいいでしょう。そこに対して特にリーマンショック後に力をつけてきた中国でも、自国の人口の多さを武器にバイドゥ、アリババ、テンセントなどのプラットフォーム企業が台頭しています。

 

今世の中は、IoTに移行していくために5Gが普及していくタイミングです。この5Gの覇権をアメリカと中国のどちらが握るのかで世界の行方が大きく変わってくるでしょう。

 

以上、アメリカが覇権を握るようになる最初のタイミングから今現在の情勢を大まかにみてきました。

 

世界の移り変わりは、変化についていこうとするから移り変わるのか、それとも変化を主導しようとするから移り変わるのか、どちらが正解なのかはわかりません。しかしこの流れをみて私が思うのは、結果的に自分たち人間の首を自ら締め付けて苦しくさせる方向に進んでいるのではないかということです。

 

エントロピーという物理用語がありますが、これは物事は常に混沌さを増す方向に進み、不可逆なものであるということを表現する単語です。この言葉を使うのであれば、世界のエントロピーはかなり増大していてそろそろ限界を迎えています。

 

特に金融経済とIT経済が普及してからは国や企業と個人の分離が激しく、国や企業が覇権を争うことで個人を痛めつけるようになっているのではないかと思うのです。

 

それは企業における過酷な労働という意味ではなく、格差社会や超格差社会の到来により経済的な困窮に追い込まれた人が、派生的に社会的な居場所さえも失っていくような状況にあるのではないかということです。

 

数年前に公開された映画「ジョーカー」では、主人公のアーサーが社会の底辺で今にも爆発しそうな怒りを抱えて労働する様子(結果的に怒り爆発し悲惨な結末を迎える)が描かれていますが、まさにそのような現象がこの現実にも起こってきていると思います。

 

例えば最近では日本における通り魔事件が多くみられますが、これは自分の居場所がなく行き場のない怒りを社会にぶつけるしかない状態が現れている現象ではないでしょうか。

 

もし彼らに心から信頼できる安心安全の人との繋がりあったなら、おそらくそのような事件を起こすようなことにはならなかったでしょう。格差が拡大する中で自分の生活を守らなければならなくなり人への関心が薄れ不信が増し、人間関係に支障をきたす社会になっているのだと思います。

 

そして逆にこの格差社会で成功している人なら安心できるのかというと、それも難しいと思います。いつお金を失うかわからない不安がつきまとい、人間関係はお金の繋がりになりやすい状態でしょう。相対比較すると自分はまだマシな方と感じるかもしれませんが、目の前の人とどれだけ深い信頼関係を構築できているのかと考えると人間関係の希薄さは拭いきれず、成功していても虚無感が残るのではないでしょうか。

 

このように日常と切り離せない人間関係の不具合が金融経済、IT経済の弊害だと言えると思います。

 

またそのような金融経済、IT経済では、私たち人間はいかに多くのお金を稼ぐかにフォーカスしやすくなり、夢をもちにくい社会になっていると思います。

 

例えば昔であれば、頑張ってお金を貯めて目をキラキラさせながら憧れていたモノを買うなど、わかりやすい夢を持つことができたと思います。しかし金融経済、IT経済ではモノが溢れかえっているのが当たり前であり、マンネリ化している状態です。そんな状態では、前向きに頑張ってそれらを手に入れようなどという健康的な意欲も失せてしまいます。

 

そのような状態で、ネット上には過剰な情報が押し寄せ、何が正しいのかがわからないし何を選べば良いのかもわからないので、自信も確信も持てない。そしてそんな状況にさらされ続けると自分の未来を考えることも放棄して、ただ無気力に絶望しながら毎日を過ごすというような状態になりかねません。

 

このことがエスカレートしていくと、実際に未来に希望が持てなくて死を選択するようになっていくのだと思います。

 

またさらに、これらのようなことが起こるようになると、その通り魔や自殺をした当の本人だけでなく、その社会で生きる周りの人の心にも影響が出てくることは避けられません。個人の性格からくる感じ方の細かな違いはあるとしても、全体として幸福感が下がってしまうこともまた否めないでしょう。

 

覇権の話に戻りますが、このように実物経済において覇権が揺らいだことへの対応策として金融経済、IT経済に移行することは、かろうじて覇権の維持に成功したとしても、その先で個人が苦しくなることにつながっているのです。

 

危機的状況をどうにか埋め合わせて凌いだとしても、別のところに必ずそれ以上のしわ寄せが生じてしまうのです。そしてこれは、先の行き詰まりが丸見えのイタチごっこに他なりません。このまま進んでいけば確実に未来がないのは明白なのです。

 

そして話を続けると、現在、5Gを巡った米中覇権戦争が繰り広げられています。状況から見て中国が勝つのはなかなか難しいと思いますが、どちらにしてもこれから到来するであろうAI社会では一部の富裕層がそのAIの頭脳を握り、大多数の人は無用者階級に転落するということが言われています。

 

これは今までの格差社会、超格差社会のような経済的な格差と、そこからくる精神的な苦痛、もしくは虚無感とは比べものにならない格差とカオスがやってくると予測ができます。AIを自由自在に操る一部の人と無用者階級に落ちた社会に対して存在価値を持たない大多数の人の格差は、もはや経済格差の域を超え人間と人間が進化した存在との格差になりかねません。

 

もし本当にそうなると、もちろん無用者階級の人たちは社会から排除される対象となり文字通り用無しの存在になり下がります。そして富裕層の人は機械と融合したり不老不死になるなど今までの人間には考えられないような生き方をするようになっていくでしょう。このような格差になっていくと、どのような社会の風潮がつくり上げられていくのかはなんとなくイメージができるのではないでしょうか。

 

そしてさらに話を続けるなら、このようなエントロピーが無限大に向かうカオスをリセットするためには、歴史的に見た時に戦争か革命、疫病、または崩壊が起こることだと言われています。

 

ここにきて戦争や疫病というのは偶然か必然か、リアルタイムな話だと思います。次の時代を切り開く宇宙自然の意志が働いていると考えても差し支えないとさえ思えてきます。

 

現在で疫病といえばコロナパンデミックですが、世界の状況を見る限り極限にまで達しつつある格差をリセットするには力不足の状態です。

 

そして、今最も世界が関心を持っているであろう戦争はロシアのウクライナ侵攻です。侵攻開始からひと月が経ちましたが、停戦の兆しは見えず孤立しつつあるロシアは半導体不足から兵器を作ることもできない状況です。こうなってくると残る兵器は、核爆弾か生物兵器かというようになってきます。いくところまでいけばその後は非人道的な展開になることも十分考えられると思います。

 

そもそも20世紀初頭より始まったアメリカの覇権はソ連を意識していました。それは南北戦争キューバ危機、朝鮮戦争などさまざまなところで衝突を繰り返しており、言葉を変えるなら自由主義共産主義の衝突を重ねてきたと言えるでしょう。

 

この自由主義共産主義の衝突をどのように解決していくのかが今問われていると思いますが、それこそこの戦争が第三次世界大戦に発展していくならば私たち人類は、今までのアメリカの覇権と世界の格差がリセットされる衝撃を経験するかもしれません。

 

アメリカの覇権の始まりからここまで長くなりましたが、ここで私が最も勧めたいのは戦争によるリセットではなく、革命によるリセットです。

 

それがどのような革命かというと、人間の認識の革命です。令和哲学・世界基軸教育では存在は存在しないと言っています。人間の脳ではイメージ不可能、認識不可能、感じることも不可能な一つの動きによって全てが成り立っていて、存在が存在していると思うのは脳の錯覚だと言い切っています。

 

このことについては以下記事をご覧ください。

hyperconnection2012.hatenablog.com

hyperconnection2012.hatenablog.com

 

国や企業の覇権を優先して個人がどんどん苦しくなる今、格差をリセットして濃度密度均一にさせるために、私たち人類は境界線のない世界を明確にわかることを喫緊に必要としているのです。

 

無境界線の世界を理解することで格差が0化された世界から違いをを楽しむ現実を構築できるので、格差による苦しみや絶望は改善され、限界の見えるイタチごっこにも終止符を打つことができます。

 

また「自由主義 vs 共産主義 の時代から 脳 vs 心 の時代へ」と令和哲学では表現しますが、これからの時代は、戦いの性質を 自由主義 vs 共産主義 から 脳 vs 心 へと変える必要があります。そのために限界を迎えたアメリカの覇権の次は、世界基軸教育を国家戦略として日本が覇権を握ることが必要なのです。

 

本日も長文を最後まで読んでくださりありがとうございました。