宇宙水準点

宇宙水準点〈世界基軸教育と令和哲学〉

令和哲学者 NohJesu と共に歩む令和維新の道〜世界基軸教育によって人類がワクワクでひとつになる〜

令和哲学と書籍「日本が先進国から脱落する日」

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書籍「日本が先進国から脱落する日」を読みました。

 

この本は、特にここ10年ほどアベノミクスによって円安を推し進めた結果、日本経済がどのようになっているのかを書いている本でした。

 

専門的な単語もあり少し難しい内容もありましたが、経済政策の内容と本質がよくわかり非常に面白かったと思います。

 

今回もいつものごとく気になったところをピックアップしていきます。

 

2000年時点の一人当たりのGDPを見ると、日本は3万9172ドルに対しアメリカは3万6317ドルでアメリカよりも8%ほど高かった。しかし2020年になると日本は422万円から428万円へと1.4%しか増えていないのに対して、アメリカは3万6317ドルから6万3415ドルへと74.6%も増えています。

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(出所:書籍「日本が先進国から脱落する日」)

 

これはアメリカの63.3%であり、隣の国の韓国にもいずれ抜かれると予測できるほどです。

 

また70年代から90年代にかけて円の価値が高まったが、今やその価値は最初の70年代に逆戻りしてしまっている。

 

70年頃は筆者がアメリカに滞在していた時、アメリカはなんと豊な国なのだろうかと感嘆していたが、90年代になると家族揃って一流ホテルを泊まり歩けるほどになり、そして今は逆に高くて手が出せず到底そのような生活はできないと言っています。

 

実質実効為替レート指数を見ても、細かな変動はあるものの70年の58から95年にその3倍程度へと高まり、その後2020年には半分以下の値になっています。

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(出所:書籍「日本が先進国から脱落する日」)

 

このように客観的なデータを見るといかに日本が相対的に(実際日本以外の国が成長した一方で日本の成長はわずか)貧しくなったのかがわかります。サブタイトルに"円安という麻薬が日本を貧しくした"とありますが、まさにその通りでここ10年のアベノミクスが日本を貧しくしてしまったのです。

 

大前提、円安を追求するのは企業利益を上げて株価を上昇させる狙いがあったわけですが、結果的に金融緩和と利上げだけに依存してしまったがために大きな問題を引き起こしてしまったのです。

 

まず円安による企業利益増加について見ていきます。簡単に理解するために1ドル=100円だとして3万円の製品はアメリカでは300ドルで売れます。円安が進んで1ドル=110円になったとすると、アメリカで300ドルで売れたとき日本円では3万3千円となり3千円分売り上げが増加します。それに伴い株価上昇も見込めるのです。

 

この例題では企業は儲かっていますが、実は見えないところで搾取が起こっています。というのは消費者にフォーカスし、ひと月30万円の給料を貰っている人が海外で買い物をすることを考えた場合、1ドル=100円の時は3000ドル分の買い物ができますが、円安になって1ドル=110円になると2727ドル分しか買い物ができなくなってしまいます。

 

このような消費者の購買力低下は国内にいては気付きにくですが、円安が進むことは相対的に個人を貧しくさせる方向に推し進めることになっているのです。

 

そしてさらに、円安になれば企業が輸出で利益をあげることができる一方、原材料などの輸入品は価格が上がります。この上昇分を物価に転嫁することでさらに売り上げを伸ばし、得られた利益は消費者に還元しないという仕組みがあるのです。

 

実は、このように円安による企業利益増加には消費者の経済循環を切り詰め細らせている背景があるのです。

 

このような消費者の搾取はなかなか気づかれにくいので、技術革新によって新産業や新製品を作り企業利益を伸ばす本来の健全な経済成長を追求しなくとも、騙し騙し場を凌ぐことができたのです。

 

結果、日本は新産業・新製品の創出を怠り、90年代半ばから普及し始めたIT経済に乗り遅れて生産性が低下してしまったのです。

 

90年代半ばから普及したそのIT経済の最先端をゆく代表的な巨大企業は米GAMMAですが、その業界はデータ資本主義なる全く新しい資本主義が展開され賃金も成長率も非常に高くなっています。

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(出所:書籍「日本が先進国から脱落する日」)

 

日本を代表する企業といえばトヨタですが、上の表でそのトヨタと米GAMMAを代表するアップルの財務を比較すると、アップルの一人当たりの売上はトヨタの3倍以上、一人当たり付加価値はなんと8倍以上になってます。

 

これが技術革新を積極的に行なったアメリカと金融政策に依存して問題を先送りにしてきた日本との差だと言えるのではないでしょうか。結果的に賃金が上がらず、円安が進んでどんどん追い詰められていく今の日本に至ったのだと思います。

 

本書でも書いてありますが、だからこそ喫緊に必要なのは付加価値を増やすことのできる新しい産業なのです。

 

ではここからは感想を書いていこうと思います。

 

上にも書いたように本書の角度からこの10年を見てみると、安倍首相はアベノミクスによって2%物価上昇させることにより賃上げを狙ったのだが、それが失敗に終わったということだと思います。もちろん安倍さん本人はこんなつもりではなかったのでしょうが、残念ながら結果が全てです。

 

なんてこった・・・

 

というのが私の心中を表現する言葉としてこの上なくしっくりきます。

 

そして、このように日本経済が衰退の一途をたどる中、世界ではコロナパンデミックが起こり、金利格差拡大による円安ドル高も進み、ウクライナ危機も起こっています。

 

パンデミックの影響においては今中国経済が止まり、世界経済と日本経済に大きなダメージを与えており、円安ドル高の進行ではさらなる物価上昇が予測され、ウクライナ危機に至っては日本はこれから小麦の調達が困難になると考えられます。そしてさらにはエネルギー価格も高騰しているので、このような状況下での円安は国民一人一人の生活を窮地に追い込むものになることは容易に想像ができます。

 

長い目で見ればバブル崩壊以降、新しい産業を開発してこなかったツケが回ってきたというふうに見ることもできるでしょう。

 

自民党政権は防衛費を2倍にすると言っていますが、日本経済が縮小する中でそれにはどのような意味があるのでしょうか。社会保障も行き詰まるのは誰の目にも明らかでしょうし、借金も膨らむ一方で日銀が財政破綻しかねない状況です。

 

だから今必要不可欠なのは健全な経済成長のできる新産業です。

 

そこに対して明確な代案となりうるのが令和哲学であり世界基軸教育、nTech なのです。このコンテンツはどんなに円安が進行したとしても、安定した経済発展を創出できる日本式経済発展モデルです。

 

食糧危機が訪れてもワクワクの心で空腹を乗り切ることもできると思います。

 

本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。